私は、いつも新しいブランド開発を行う際に、そのブランドは誰に愛されるべきなのかを考えることにしています。
マーケティング業界でターゲット設定とかペルソナとかいうやり方です。
大きな外資系の会社の仕事ではとっても分厚い市場調査の報告書が上がって来て、それを見ながらチームでディスカッションしたりしますが、ギフト菓子業界ではそこまでの大がかりな市場調査は行われないのが現状でした。
麻布かりんとの開発の時は私自身が麻布十番の街を歩き回りました。
新店舗開発の時は、街の空気を吸うことは大切だと考えています。不思議とどの街にも色があります。そしてその色に合わせて人が集まって来ます。
「人が街を造るのか、街が人を造るのか」どちらが先かわかりませんが、確実に存在する街の色を感じること・・・それは歩いて見ないとわからないことだと思っています。
私はある時、麻布十番の喫茶店に何時間か座り、隣でお金持ちそうな素敵でナイスな奥様たちの会話に耳を傾けていたことがあります。「彼女たちは一体どんな会話をしているのだろうか?」それが気になったからです。
麻布十番は都心の真ん中にあり外国の大使館など高級住宅地でもあるが、昔からどこか下町の香りがする街です。その不思議な街を歩き回りながら、私の頭の中には着実にターゲット設定が行われていきました。
やがて「素敵でナイスな奥様たち」というキーワードがプロジェクトミーティングで普通に使われるようになりました。
ターゲット設定については実際にオープンしてみて、意外なコトが起きたのですが、それはまた後で述べることにします。