5坪で1日100万円売り上げた
麻布かりんとの新ブランド開発

弊社はブランディング会社です。
今までありそうでなかったような新しいブランドを開発したり、少し古くさくなった老舗ブランドを元気に若返りさせたりするのが仕事です。
そんな弊社の仕事の中で、近年「ギフト菓子ブランド」を立ち上げる仕事が増えています。

新ブランド開発において、売れっ子ブランドを生み出すということはそう簡単な仕事ではありません。作ってみたものの「成功もあれば失敗もある」のがブランド開発です。
さて、そんな弊社が開発した中で「ギフト菓子ブランド」で大成功をおさめた「麻布かりんと」と「あげもち屋」というブランドがあります。
東京駅の大丸1Fフロアはギフト菓子で有名ですが、その西の入口に「麻布かりんと」東の入り口に「あげもち屋」があります。大丸の東西の入口を弊社の開発したギフトブランドが押さえているカタチになっています。
8年ほど前の開発ですが、お菓子業界の人々から「麻布かりんと、あげもち屋がヒットしてからギフト菓子の売場が変革した」とも言われています。
そして、この成功は私たちにとってもその後のブランディングの仕事について新しい気づきを与えてくれたターニングポイントの仕事だったと言えます。

贈る人がワクワクして選べるコトが大切。

私はその当時、ギフト菓子の世界で、デイリーギフトの贈り方が変化しつつあると考えていました。その頃よくマーケティング業界で言われていたのは「個の時代」〜みんなが「自分らしさ」を見つけようとしている時代。
ギフト菓子の贈り方にもその波は来ていると私は感じていました。

例えば総務部に東京バナナを1箱お土産として買って帰るよりも、7人いる総務部の人それぞれに7個の小さなギフトボックスを贈る方が望まれるのではないか?
しかも贈る人に合わせてそれぞれに違うデザインのパッケージで贈る方が「自分らしさ」という時代のキーワードにマッチしていると考えました。
この件について意識調査をしたところ、その調査結果もやはり個別に贈る方がいいという結果でした。その結果を受けて私たちは俄然やる気が出ました。

なぜならば、今回のかりんとうプロジェクトは50種類のかりんとうを取り揃え、一袋単価300〜400円前後の買いやすい価格にするという企画だったからです。買う人が好きなかりんとうを好きなように選べる仕組みにするというこのプロジェクトに私たちはヒットの予感を感じていたのです。
贈る人が贈る相手を想像しながら「あの人にはこのデザインのかりんとうを贈ろう」と売場でワクワクしながらお買い物ができるお店を作りあげることに熱中していきました。

私たちはギフト商品を企画する時に、贈られる人が喜ぶことはもちろんですが、贈る人がワクワクできるかどうかを大切に考えることにしています。贈るというコトは気持ちをその商品に乗せることだから、両者が喜んでもらえる企画は成功する確率が上がると考えています。

そしてもうひとつ、うまくいくプロジェクト傾向としては、チームミーティングの際に会議室から笑い声が聞こえて来ることです。チームのみんなもワクワクして仕事に取りかかっている証拠だからです。

やはり「贈る人や贈られる人をワクワクさせる」ためには、そのブランドを開発するチームスタッフたちもワクワクドキドキしていなければ、素敵なものは出来ないのだと思います。