大きな会社にはできない
私たちにしか出来ない40周年にしたい。

菊水酒造様は新潟新発田にある日本酒蔵元です。敷地内にある日本酒文化研究所へ通じる森の小道では鳥がさえずります。そこに訪れると、いつも時間がゆっくりと流れているような感じがします。
この蔵元の社長との出会いはもう12年ほど前になります。以前から面識のある福島にある蔵元の社長の紹介でした。当時から日本酒業界は若者離れに悩んでいました。
私もSSI認定「利き酒師」の端くれとして、日本の若者にもっと日本酒のおいしさや食文化の深さを伝えたいとかねがね思っていましたので、社長と意気投合して日本酒復興と若年層へのアピールをマーケティング・サポートというカタチでお手伝いさせていただくことになりました。
この蔵の代表的ブランドとして「ふなぐち菊水一番しぼり」があります。もう40年以上、熱烈なファンに愛されている商品です。
このブランドを若年層に向けてどのようにコミュニケーション・デザインしていくのかについて、市場調査を行いコアコンピタンス(独自の価値)をあぶり出しながら、新聞広告やWebサイトのリニュアルをご提案していきました。
私のこのお酒に対する愛が深かったのか、社長や幹部へのプレゼンは1時間 30分を超えるものでした。しゃべり過ぎたかと思ったら、社長は感心してくれて「よくここまでウチの商品のことを真剣に考えてくれた!」と言いながら、「このプレゼンを全社員の前でもう一度やってください」ということになり、私は後日、新潟本社〜東京支店と3回程同じプレゼンを行うことになりました。
その後も、新しい商品開発や広告作り、そして若者との接点として欠かせないWeb関係の仕事などをお手伝いさせていただいてます。
いろいろとプロジェクトをお手伝いしていますが、特に印象に残っているのが「ふなぐち」の40周年キャンペーンのことです。キャンペーンの企画についてマーケティング部の方と打ち合わせを重ねている時期でした。
突然社長から連絡があり、40周年のことで話がしたいとのこと。

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不特定多数ではなく
特定少数のファンのために

東京の青山の弊社事務所で打ち合わせが始まりました。
「この40周年は普通のキャンペーンにはしたくない」
「大きな会社がやるような応募してプレゼントをあげて終わりという風にはしたくない」
「ふなぐち」というお酒がこの40年間でどれだけ売れて、どれだけの人に愛されてきたかをずっと考えていたが、「不特定多数のためにやるのではなく、このお酒を深く愛して飲み続けてくれている特定少数のためのキャンペーンにしたい」ということを、とても熱い口調でお話しされました。

そして、社長が考えたキャンペーンの賞品(プレゼント)とは、発売時の「復刻版ふなぐち」を持って菊水酒造の社員が直接、当選者の方の家にお届けにあがるというものでした。つまり、日頃愛飲してくれているファンに社員が直接行ってお礼を言うということが、このキャンペーンのプレゼントなのです。

届けられたファンの方もとても嬉しかったようです。中には毎日ふなぐちを飲み、その空き缶を棚に飾っているファンもいました。そのお宅を訪ねた菊水の社員もとても嬉しくなって一緒にその棚の前で記念撮影をしたそうです。

私たちもこのキャンペーン内容に奮起して、さらに花を添える企画を考えました。ふなぐちの缶にはキャップがあります。そのキャップの裏に40周年だから40年ほど前に流行った唄の歌詞を印刷して、特別限定品を作ろうというものでした。これも当時の唄を知っている人たちだけが懐かしい気持ちになり喜んでくれればいいという「特定少数のため」の企画でした。
企画は面白いが芸能プロダクションに真っ向から連絡するととても高い金額になってしまいます。「この日本にはきっと日本酒が好きで、安いギャラでもいいよと言ってくれる作詞家がいるはずだ」と言って、弊社のスタッフがキャスティング会社とタッグを組んで、一日中、作詞家探しのために電話をかけていたことを思い出します。 そして、結論として何人かの作詞家の方々がご協力してくれることになり、無事にこの企画は日の目を見ることになりました。

ちなみにこの40周年が落ち着いた頃に、菊水酒造の社長から私たちスタッフへプレゼントがありました。新潟の有名温泉旅館へのご招待でした。
私たちは嬉しくなって温泉の風呂上がりにも、そして帰りの新幹線の中でも「ふなぐち菊水一番しぼり」を飲んで過ごしたことを憶えています。

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